芝浦機械のAI活用

1.学習する:加工情報を用いた知能化

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リアルタイムの加工情報からAIが加工状態を推定(イメージ図)

加工オペレータは経験と自らの感覚をもとに加工状態を判別しています。
芝浦機械は、オペレータの技術と経験を知能化することで生産効率の向上、品質の均一化に貢献いたします。

※SENSPIDERは株式会社マクニカの登録商標です。

2.匠のデジタル化:デジタイゼーション

人は五感の情報をもとに学習を繰り返し、脳内に記憶として定着させていきます。
これをデジタル化した場合、五感は各種センサのデータ、脳は人工知能に置き換えることが可能です。

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芝浦機械では、長年培ってきた豊富な技術を知能化させるために、データセンシング・ヒアリングを行い最適なAIの作成を行っています。
今回ご紹介する工作機械向けの加工状態判別AIでは、加工中の機械データの収集・分析を行うことで加工状態ごとの特徴を抽出します。また、抽出した特徴を繰り返し学習させることで、正常・異常の判定だけでなく、工具欠損・異常振動等の加工状態の推定を実現いたしました。

3.異常データの贋作AI:敵対生成ネットワークの活用

敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Network:GAN)とはAIの一種であり、データから特徴を学習することで、実在しないデータを生成したり、存在するデータの特徴に沿ってデータ変換をしたりすることが出来ます。
GANのネットワーク構造は、Generator(生成ネットワーク)とDiscriminator(識別ネットワーク)の2つのネットワークから構成されており、2つのネットワークを競合させることで精度を高めていきます。

“絵画の贋作者(Generator)”と“本物を見分ける鑑定士(Discriminator)”のような役割をネットワーク内に組み込み、競わせるような形で学習させます。贋作者は鑑定士を欺くような学習をし、鑑定士はそれを見破るように学習するため、贋作者の学習が進むほど本物そっくりな絵画が生成されます。

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芝浦機械では、AI作成の難易度を上げているのは異常データを収集することだと考え、それを克服するため敵対生成ネットワークの特性に着目。そこで異常時のデータを敵対生成ネットワークを用いて学習させることで、本物に近い贋作データを量産しました。

また、量産したデータの信憑性を弊社独自の評価用アルゴリズムを使用することで、より質の高い贋作データの生成とAI学習への転用が可能となりました。

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4.成長するAI:自己符号化器の活用

自己符号化器(Autoencoder)とはAIの一種であり、入力されたデータを圧縮し重要な特徴量だけを残した後、再度もとの形に復元処理をするアルゴリズムを意味します。

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上記の図のように、小さい次元に落とし込む作業を次元削減や特徴抽出と呼びますが、自己符号化器は生成モデルとしても用いられます。

この自己符号化器の特性を学習モデルに組込むことで、入力されたデータに対して新規性が高いデータかを判断することが出来るため、未知のデータを追加で学習させることができます。

5.見えるAI:人工知能の内側

特にニューラルネットワークを用いたAIは内部で何をしているか追跡することが困難なため、ブラックボックス化しがちです。

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芝浦機械では、加工状態判別AIのモデル構造を再度見直すことで、内部で何が起きているかを視覚的に理解できるモデルの作成に成功いたしました。

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