射出成形機 用語の解説

ア行

圧縮比

スクリュはホッパ側から供給部、圧縮部、計量部に分けられる。スクリュの圧縮比は供給部および計量部の1つのネジ溝内の空間容積(V2)と(V1)との比(V2/V1)をさす。

アンギュラーピン

金型を開くときに、アンダーカット部を逃がし、金型を閉じるときに、アンダーカット部を構成するスライドコアを移動させるためのガイドピン。

アンダーカット

成形品を金型から取り出す際に、成形品を変形させるか、または特殊な金型構造を用いなければ離型が不可能な一部の成形品のこと。

ウエルドライン

成形の際、溶融樹脂が2つ以上合流する部分に生じる毛髪上の線。

押出装置

ダイ後退限(型開限)で成形品を金型から自動的に押し出す装置。

カ行

可塑化

樹脂をバレルからの熱とスクリュの剪断作用により発生する熱により軟化させ、流動しやすくすること。

金型

溶融樹脂をノズルから金型内(キャビティ)に射出し、冷却し一定の形状に成形するための金属製の型。

型締装置

射出成形機の金型を開閉させる装置、金型を閉じ溶融樹脂を金型内に充填し成形する時、金型が開かないように高圧で締め、充填後金型内の成形品を冷却して金型を開き、成形品を押し出しする装置。

キャビティ

金型において成形品が成形される雌型と雄型の間の空間をいう。この空間を形成している雌型をいうこともある。

計量

射出成形でバレル内のスクリュを回転させ、次のショットに必要な樹脂量を計ること。

ゲート

溶融樹脂がキャビティ内に射出される入口。機能により様々な形式がある。

コア

成形品の内面を成形する金型の雄型部分、またはアンダーカット部を成形するために用いる金型部分をいう。

コールドスラグ

金型内に最初に入った溶融樹脂がノズルやスプルーを通るときに急速に冷却されてできた流動樹脂先端部の高粘度樹脂やノズル先端部に残留する高粘度樹脂のこと。これを収容するためにスプルーの下端やランナーの末端に設ける空間をコールドスラグウエル(溜まり)という。

サ行

サックバック

計量されたスクリュ先端部の溶融樹脂の圧力を下げて、ノズルから溶融樹脂が垂れ落ちるのを防ぐため、計量完了後スクリュを強制的に油圧で少し後退させること。

射出圧力

射出成形機において、溶融樹脂を射出する時のスクリュ先端部の圧力のこと、また、射出シリンダ内の圧力をいうこともある。

射出速度

射出成形において、溶融樹脂を金型内に射出する時のスクリュの前進速度をさす。

射出成形機

プラスチック製品を作る機械。

射出装置

射出成形機において、成形材料を可塑化(溶融)計量させて金型内に射出する装置。

ショートショット

金型内に溶融樹脂が完全に充填されないまま冷却固化する現象。

スクリュ

バレル内で回転する螺旋状の溝を切ってある棒軸。スクリュ回転する事によって樹脂を可塑化、混練し、計量する機能。

スクリュチップ

スクリュの先端部に装着され、樹脂の可塑化・計量時は溶融樹脂の流れに従って通路を開きスクリュチップの前後に溶融樹脂が計量される。射出時は溶融樹脂が金型の中に充填されるようにバックフローを防止する。

スプル

金型の成形材料の流路の一部で、テーパ状の形をしている部分、またはこの部分の固化した材料を指すこともある。先端はノズルに、他方はランナにつながる。

成形収縮

成形品を金型から取り出し、室温に冷却したとき収縮が起こる。取出し後24時間以内に起きる収縮を成形収縮といい、その後に起きる後収縮とは区別する。

剪断発熱

樹脂がスクリュ内で可塑化するためには、バレル外周にまかれたヒータからの熱と、もう一つスクリュが樹脂に働く剪断作用によって発生する剪断熱が必要である。

ソリ

高い保圧によって起こる成形品内部応力(残留応力)の緩和、または成形品の温度差、分子または充填剤の配向による収縮率の違いによる変形をいう。平板状の成形品に発生しやすい。

タ行

タイバ

移動ダイプレートを支え、金型の開閉動作を案内し、型締中は型締力を受け止める部材。

タイバ間隔

タイバ間の内のりをいい、、水平および垂直の寸法をいう、金型取り付けの可能性を検討するのに使う。

ダイプレート寸法

ダイプレートの水平および垂直の寸法をいう、金型取り付けの可能性を検討するのに使う。

デーライト

固定ダイプレートと移動ダイプレートとの最大間隔のこと。また、デーライトは最大型締めストロークに最少型厚を加えた寸法のことで、成形品取り出しの可能性を検討するのに使う。

ドライカラー

樹脂に対する顔料の分散性を改良するために適当な分散剤を添加して微粉末状にした顔料で、着色剤の配合方法としてよく用いられる。

ナ行

熱可塑性樹脂

加熱すると軟化して可塑性を示し、冷却すると固化するプラスチックの総称。固化したプラスチックは再加熱によって可塑化するため、成形不良品を再生材として使用できる。

熱硬化性樹脂

熱や触媒によって硬化する性質をもったプラスチック。固化したプラスチックは再度加熱しても軟化しない。射出装置のバレル、ノズル、スクリュが熱可塑性樹脂用の成形機とは異なる。

ハ行

バレル

加熱ヒータを外周に取り付け、スクリュを内蔵した円筒で、樹脂の通路であると共に射出時のシリンダとなる。

バリ

金型の合わせ面(パーティングライン)に樹脂が流出し、製品の一部にくっついてくる現象。

ヒケ

成形品の表面に生じた窪みをヒケという。厚肉部を持った成形品は、冷却にともなって体積収縮が大きく、表面の樹脂が成形品の中心部方向に引き込まれヒケとなる。

フローマーク

溶融樹脂が金型(キャビティ)内を流れるとき、成形品表面にリング状、または波上の流れ模様が残る現象。

マ行

マスタバッチ

成型する樹脂と同種の樹脂に添加剤(着色剤を含む)を高濃度に配合したペレット状の顔料で、着色剤の配合方法としてよく用いられる。

ラ行

ランナ

溶融樹脂の流路の内、スプルからゲートまでの部分、またはそこで固化した材料のこと。

ロケート穴

固定ダイの真ん中にある穴をロケート穴という。金型にはロケートリングがあり、金型を取り付ける時に、このロケートリングをロケート穴に挿入する事によって、金型とノズル(射出口)のセンタを容易に合わせる事ができる。

ロケートリング

金型取り付け時に、成形機のノズルとスプルの芯合わせのために金型の最上部にあるリングのこと。

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