ワンショット溶解金属成形システムの開発

2002年10月9日

ワンショット溶解金属成形システム
ワンショット溶解金属成形システム

当社は、このほど溶解・保持炉を必要としない環境調和型の金属成形システムを開発しました。本システムでは、製品1個分の材料を、その都度ワンショットごとに溶解して成形します。本システムは、ダイカストマシンをベースに、スクリューフィーダー方式の計量装置と誘導加熱方式による溶解システムで構成される“ワンショット溶解給湯システム”を装備した金属成形システムです。
従来、マグネシウム合金の成形で使用されているチクソモールドマシンやホットチャンバダイカストマシンと比較して、大幅に作業効率の向上と環境改善がはかれます。さらに、溶解できる金属は、アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金等で、異種材料が同じシステムにおいて生産可能な、汎用性の高い設備となっています。

ダイカストマシン工場には、炉から発生する熱・高温溶湯、スプレーの騒音、離型剤・潤滑剤から発生するミストなどの作業環境問題があります。東芝機械は、この作業環境の改善に向けて研究を鋭意進めており、本システムの他に今後は、離型剤吹付けシステムの改良等、より高い環境調和型システムを構築する予定です。当面は、携帯電話などの小物製品を生産する少量マグネシウム成形システムとして、商品化を進めていきます。
本システムは、今年11月7日から9日まで開催される、2002年日本ダイカスト会議・展示会(会場:神奈川県パシフィコ横浜)に、参考出展されます。

開発の目的

  1. ダイカスト工場の作業環境の悪化要因である溶解作業をなくすこと
  2. 溶解時に放散される熱エネルギーコストを下げること
  3. ダイカスト工場の安全性を向上させること

主な特長

  1. 工場環境が大幅に改善されます。
  2. 安全性が大幅に向上します。
  3. 熱効率が高いシステムです。
  4. 高い生産性と早い生産立上げが可能です。
  5. メンテナンス性に優れています。

主な仕様

対応材料 マグネシウム合金、アルミニウム合金、亜鉛合金
給湯量 50~150cm3
溶湯温度 600~780℃
ベースマシン 電動型締めハイブリッドダイカストマシン(型締力1500kN)

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