超大型電動式射出成形機ED3000Wおよび大型全電動式射出成形機EC650NIIを開発(省エネ・省スペース・ハイサイクルを実現)

2006年11月29日

上:ED3000W 下:EC650NII
EC650NII

上:ED3000W 下:EC650NII

当社は、このほど、型締力3000トン(29,400kN)の超大型電動式射出成形機ED3000Wならびに型締力650トン(6,370kN)のEC650NIIの2機種を開発しました。

ED3000Wは、全電動式射出装置による安定成形を特長とし、型締装置は油圧機で実績のあるダイレクトロック式型締装置をベースに、高速型開閉と押出機構を電動化することで、省スペースとハイサイクル、高速・高応答型開閉を両立した世界最大級の超大型電動式射出成形機です。

本機は、ワイドダイプレートを採用し、バンパーのハイサイクル成形の実現をメインターゲットとしております。特に、当社がレンズ仕様機で採用してきたタワミレス移動ダイプレートをこの超大型クラスまで展開し、安定したバリレス成形を実現、高生産性に寄与しました。さらに、電動式型開閉機構は高速(型開閉速度毎分60m)かつ正確な型開閉動作を実現し、当社独自の4本タイバー同期制御により、タイバーロック用ハーフナットの開閉を無駄時間のない複合動作で実施します。また、型開閉・タイバー同期制御技術は、コアバック、射出圧縮、射出プレス等の高付加価値成形への展開を容易にし、多様化する成形品のニーズに対応できます。

一方、射出ユニットは、新開発ダイレクトドライブモーターによる高応答・高安定射出性能を確保するとともに、電動式射出装置としては世界最大のロングスクリュー(直径160mm)を搭載することで、高可塑化能力でのハイサイクル安定成形を可能としました。省エネ率60%(油圧機比)の環境配慮型機となっております。

EC650NIIは、EC-NIIシリーズに650トン(6370kN)クラスを新たに追加し、ラインナップを充実させました。油圧機と同じ機種バリエーションとすることで、特に自動車業界の油圧機更新需要に対応が可能となりました。今回、本機種を市場に出したことで、EC5(5トン)~EC850NII(850トン)までのラインナップが揃い、当社の特長である小型機から大型機までの製品群がさらに強化されました。

本機は、横方向に長いワイドダイプレートを採用し、電動式射出装置の高応答性を生かすことで、1サイズ上の成形品にも対応できます。また、油圧機比で30%ドライサイクルを短縮し、ハイサイクル安定成形を実現します。

ED3000W、EC650NIIともに、新コントローラー「INJECTVISOR-V30」を搭載し、演算処理能力の向上(当社比10倍)、保圧切り換え安定性の向上など基本性能アップを図りました。また、プラグイン機能により合理化機器の設定値、現在値などを成形機コントローラーで操作可能とするとともに、アラームなどの合理化機器との統括管理が実施可能となりました。成形条件、品質データ、履歴、射出波形などは、USB,CFカードでの外部記憶メモリーでデータの保存・管理が可能となり、パソコンとの連携もよりスムーズに対応できます。

東芝機械は、今後も中・大型射出成形機の電動化を推進していきます。

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