光コネクタ端面の自動傷(きず)検査装置を商品化(低倍・中倍・高倍で欠陥を自動認識し、3ランクに分類)

2002年7月9日

光コネクタ端面自動傷検査装置UFI-500A
光コネクタ端面自動傷検査装置UFI-500A

当社は、光通信に使われる光コネクタの端面の欠陥を自動的に抽出し、合否判定を自動で行なう、光コネクタ端面自動傷検査装置「UFI-500A」を開発し、7月から販売を開始いたします。また、7月16日~19日に幕張メッセで開催されるインターオプト2002で、当社および日商岩井メカトロニクスのブースに出展いたします。当社では、以前より、光部品のUV硬化型樹脂およびYAGレーザーを用いた自動調芯装置や、ガラス部品を加工・成形する超精密非球面加工機やガラス成形機の販売を行なっていますが、新たに、光通信分野の新規商品である光コネクタ端面の自動傷検査装置で、光部品検査装置の市場に参入します。

「UFI-500A」は、光コネクタ研磨面上の欠陥を自動的に認識し、合否を自動的に判別する装置です。欠陥の認識には、東芝・生産技術センターの優れた画像処理技術を用いています。このため、従来の目視による検査では判定のバラツキが大きく、見えにくい欠陥の判定を、安定して定量的に行なうことが可能となりました。操作者に要求される作業は、光コネクタの交換、観察倍率の切り替え、光コネクタ端面の清掃だけです。その他の作業は、すべて「UFI-500A」が自動的に行ないます。

光の伝送路の中継点に位置する光コネクタの端面に傷が存在すると、その部分で光の反射・散乱が生じ、光の伝送効率が低下します。そのため、光コネクタの端面には、伝送効率を低下させる欠陥がないことが要求されます。
従来、この欠陥検査は目視検査により行なわれていましたが、目視検査では、検査者間の習熟度の違い、同一検査者でのコンディションによるばらつき等のため、客観的な合否の判定が行なえず、判定結果に曖昧さが残っていました。
「UFI-500A」はこれらの課題に対し、欠陥を自動的に認識し、定量化することで判定の曖昧さを排除し、安定した検査結果を得ることができるようになりました。

光コネクタ端面に存在する欠陥には、スクラッチ、チッピング、ボイド、接着層のはみ出し、欠け、クラックなど数多くの種類があります。「UFI-500A」では、これらの欠陥を、それぞれの画像上の特徴から「直線状傷」、「塊状傷」、「接着層」の3種類に単純化しました。「UFI-500A」で検査を行なうと、光コネクタ端面上の欠陥はこれらのいずれかとして、自動的に認識されます。
欠陥の認識を容易にするためには、画像のコントラスト強調処理を行なっています。強調処理を施すことにより、目視検査では発見しづらいかすかな欠陥の認識が可能となります。
常に安定し、バラツキの少ない検査結果を得るためには、検査時にピントを正確に合わせることが必要となります。「UFI-500A」では、精密な送り運動機構と画像処理を用いたオートフォーカスアルゴリズムとを組み合わせることにより、正確なピント合わせの自動化を実現いたしました。
検査範囲は、目的に応じて3種類を用意しています。低倍では直径2.5mmまでのフェルール研磨面全体、中倍(オプション)では光ファイバ径の3倍以内の範囲、高倍では光ファイバ部分の検査を行ないます。この検査範囲の設定により、高倍では1μm(ミクロン)以下の微小な欠陥の認識を可能にしています。

「UFI-500A」では、様々な種類の検査基準に対応するため、検査基準、検査領域をユーザーが設定・変更できるようにしています。この機能はパスワードにより保護され、特定の管理者だけが変更可能になります。
個々の検査基準に2段階の重み付けをすることにより、検査結果を3つのカテゴリーに分類できるようにしています。例えば、欠陥の程度によって、合格品、再研磨品、廃棄品という分類の仕方が可能になります。
検査前には、光コネクタ端面に付着したコンタミと呼ばれるゴミなどの清掃が必要です。「UFI-500A」では、装置本体に光コネクタをセットした状態でこの端面清掃ができるようにしていきます、モニター画面を見ながら清掃ができるので、ゴミの有無の確認が容易にできます。
コンタミが光コネクタ端面に付着している場合、装置の構造によっては他の光コネクタにコンタミが移る弊害が生じる場合があり、これをコンタミの伝播と呼んでいます。「UFI-500A」では、コンタミが他の光コネクタに伝播しにくいコネクタホルダを採用しています。

「UFI-500A」の主な特長

  1. 欠陥の自動認識(直線状傷・塊状傷・接着層)
  2. 最大3分類のランク分け(良品・再研磨・不良品)
  3. 正確なオートフォーカス制御
  4. 容易な検査基準の設定変更、およびパスワード保護
  5. 容易な光コネクタ端面の清掃
  6. コンタミネーションの伝播防止を考慮したコネクタホルダ
  7. 強調表示(手動判定の補助)

主な仕様

対 象 SC、MU、FC、LCコネクタ(SMファイバ)
検査範囲 低倍(フェルール全体) 約2.45×27mm
中倍(接触領域)   約0.61×0.82mm
高倍(ファイバ)    約0.24×0.33mm
本体寸法 約W500×D600×H250mm
本体質量 約12kg
電源 AC100V 50/60Hz
消費電力 約500VA

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