超精密小型微細加工機UVM-100Aを開発(次世代の小型導光板用金型加工機、切削送り20mで加工時間を半減)

2002年7月2日

超精密小型微細加工機UVM-100A
超精密小型微細加工機UVM-100A

当社は、このほど、小型液晶ディスプレイ用金型に代表される小型微細溝金型を高精度に加工することができる超精密小型微細加工機、UVM-100Aの開発に成功し、本格的に受注活動を開始いたしました。

当社では、既に最大18インチ用(UMP-4550)、10インチ用(UVM-350B)の超精密金型加工機を市場に出していますが、今後の市場展開が期待されるPDAなどの小型携帯情報端末に注目し、同端末に搭載される5インチサイズ(最大100×80mm)以下の小型導光板用金型加工機として本機を積極的にPRしていきます。

本機の開発により、大型から小型まで、あらゆるサイズの金型を超精密に加工することができるとともに、射出成形機部門との連携により、当社が掲げるソリューションビジネスを実現し、お客さまの様々なニーズに対しタイムリーにお応えしていきます。

小型ディスプレイ(10型以下)の市場は、2005年には約2兆円にまで成長すると予想され、魅力的な市場として期待されています。この小型ディスプレイの中で、5インチサイズ以下の表示装置は携帯電話/PDAなどで約6~7割、その内約8割を液晶表示装置が占めるものと推測されています。

これらの液晶表示装置を支える中心的な要素部品が導光板であり、液晶画面上へいかに均一かつ高輝度な光を導くかがポイントとなります。

導光板には、主にPMMA(アクリル)樹脂が使用されており、射出成形により製造されますが、より均一かつ高輝度な光を誘導するために導光板面への形状要求は年々高いものになってきています。従って、射出成形機に搭載される金型には今まで以上に超微細かつ正確な溝加工が必須となってきています。

一般的に導光板用金型の加工は加工時間が長くなるため、高速加工時に経時変化が少なく安定性の高い運動精度が要求されます。そのため、開発機UVM-100Aでは被加工物を高速に運動させるための案内面として、高剛性かつ高真直性が得られる特殊構造の空気静圧案内を採用しました。

さらに、駆動源としてリニアモーターを採用することにより高速時の運動性能を高めることに成功したことで毎分20mでの加工を可能とし、従来機に比べ加工時間の大幅な短縮(当社比:1/2以下)を達成するとともに、より高い加工精度を実現しました。また従来機に比べ、被加工物への接近性を高めることによる操作性の向上をねらって小型ワーク専用機として開発したことにより、低コスト、小設置スペースを実現しました。

主な特長

  1. X軸案内面に多孔質空気静圧案内を採用(高精度・高速度)。
  2. Y軸案内面にV-Vころ案内を採用(高剛性)。
  3. Z軸案内面にリニアガイドを案内とした高精度高剛性の案内面を採用
  4. 各軸にスケールフィードバック制御を採用(高精度)。
  5. 加工時間が大幅に短縮(当社比:1/2以下)。

主な仕様

移動量 X軸(テーブル前後) 190mm
Y軸(コラム左右) 100mm
Z軸(主軸頭上下) 80mm
A軸(バイト旋回台) ±180度
真空チャックテーブル 真空チャック作業面の大きさ X軸方向120×Y軸方向100mm
被削材の大きさ X軸方向100×Y軸方向80mm
真空チャック上の最大積載質量 5kg
送り速度 X軸(テーブル) 20,000mm/min
Y軸(コラム) 1,000mm/min
Z軸(主軸頭) 2,000mm/min
A軸(バイト旋回台) 1,800deg/min
切削送り速度 X軸(テーブル) 50(目標)~20,000mm/min
Y軸(コラム) 0.1~1,000mm/min
Z軸(主軸頭) 0.1~2,000mm/min
A軸(バイト旋回台) 0.1~1,800deg/min
最小設定単位 X軸 0.1μm
Y軸 0.01μm
Z軸 0.01μm
A軸 0.0001deg
機械本体質量 約2,000kg

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