新グラビア輪転機「GSNシリーズ」開発(完全セクショナルドライブ方式を実現)

1998年1月13日

新グラビア輪転機「GSNシリーズ」
GSNシリーズ

当社は、このたび、軟包装(プラスチックフィルム)用途向けに、完全セクショナルドライブ(分割駆動)方式を採用した新グラビア輪転機「GSNシリーズ」を開発し、販売を開始しました。この完全セクショナルドライブ方式は、今までグラビア印刷業界では採用不可能と思われていましたが、制御システム技術をはじめとする当社の総合技術力で、この常識を打ち破りました。
従来の駆動方式は、メインモータから伝動軸を使い、印刷部全体を駆動する伝動軸駆動方式でしたが、今回のセクショナルドライブ方式では、各印刷ユニットに単独のサーボモータを搭載し、モータの回転制御によって各ユニットを同調させています。このセクショナルドライブ方式にすることによって、伝動軸やギアボックスもなくなり、各印刷ユニットをそれぞれの速度で単独運転できるようになりました。

これにより、本シリーズは以下の特長を持っています。

  1. 版胴の初期見当合わせ(色合わせ)時間が大幅に短縮され、精度が向上しました。
  2. 各印刷ユニットごとの単独駆動により、ベタロールが、他ユニット版胴と径が異なっても、共通版として使用可能となりました。
  3. 運転中に、不使用の印刷ユニットで、インキ・版胴交換・アイドリングが可能となりました。
  4. 各印刷ユニットのギアボックスの廃止により、メンテナンスが容易で潤滑油も節約でき、環境にやさしくなりました。
  5. 振分タイプの場合、マシンレイアウトが自由にでき、どの印刷ユニットからも振分運転ができるようになりました。
  6. 伝動軸がないため、機械の操作側と伝動側への移動がスムーズになり、機械裏側スペースの有効利用とオペレータの複数台管理の可能性が開かれました。

これらの特長により、

  1. ロス(損紙)が大幅に減少
  2. 版・インキ・初期見当などの段取用準備時間が大幅に短縮

という大きなメリットが生まれ、昨今のショートラン(多品種小ロット)化や厳しい価格競争の対応に迫られているユーザーのニーズ(ロス低減と稼働率の向上)に、十分こたえることが可能となりました。
さらに、リモートメンテナンスシステムを搭載すれば、ユーザーの機械からシーケンスならびに画像を転送することにより、ユーザーの機械状況が容易に把握でき、より早いトラブルの解決が可能となるため、トラブルによる機械停止時間も短縮されます。
今回開発したショートラン化対応の「GSNシリーズ」投入により、FA・自動化対応の「GLシリーズ」、高速で幅広い印刷ニーズに対応する「GBNシリーズ」と3シリーズがラインナップされ、多くのユーザーの要求をカバーすることができるようになりました。

なお、本シリーズとして開発した新グラビア輪転機GSN120/5+5TS(最大フィルム幅1,200mm、印刷ユニット10色)は、1月20~22日に当社相模事業所において発表会を行ないましたが、このあと協和商事株式会社殿(北海道札幌市西区、社長 妹尾雅昭殿)に納入が予定されています。

新方式
従来方式

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