門形5軸マシニングセンタを開発(複雑な形状物を高精度・短時間で加工)

1997年11月25日

門形5軸マシニングセンタ

当社は、このたび高速高剛性を追及したテーブルタイプの門形5軸マシニングセンタMPー2100(5A)シリーズを開発し、販売を開始いたしました。
当社は長年にわたり、航空機をはじめ各業界に、自由曲面創成のための多軸NC機を多数提供してまいりました。今回、この技術をベースに、複雑な形状を持った航空機部品や金型を高精度・短時間に加工するのに最適な、旋回およびチルトする主軸頭を持ち、高剛性(静的・動的・熱的)を特色とした機械を開発いたしました。

本機の特長は次のとおりです。

  1. 高剛性達成のため、主軸頭の旋回(A軸)にボールネジと、ころがりガイド(従来はセグメントギア&ピニオンとすべりガイド)を採用し、ロストモーションのない直動機構を採用しました。
  2. フレームは、高剛性金型加工機MPF-Cシリーズと同様にコラム・クロスレール一体形のπ(パイ)フレームを採用しました。
  3. 複雑な5軸機構でありながら、スピンドル先端から旋回中心およびすべり面までの距離をできるだけ短くした、最低モーメント構造を採用しました。
  4. 発熱の少ないビルトインモータでスピンドルの伸びを抑えるとともに、その伸びをリアルタイムでモニターしてNC補正を行っています。
  5. 用途に応じた豊富なバリエーションを用意しています。スピンドルは標準(12,000min-1、30kW、60Nm)高馬力型(12,000min-1、45kW、45Nm)高トルク型(10,000min-1、30kW、145Nm)の3種類を用意し、アルミから鋼材まで幅広く対応しています。
  6. テーブルサイズも幅(1,800、2,000)、長さ(1,400、4,000、6,000)の組み合わせの、計6種類を標準とし、その他のサイズやパレットチェンジタイプなどにも対応できます。

その他の主な仕様は、スピンドルストローク(Z軸)600mm、A/B軸旋回角度±30度、早送り速度は20(X,Y)10(Z)m/min、1,000(A,B)deg/min、送り速度は10(X,Y,Z)m/min、1,000(A,B)deg/minとなっています。
また、NCは高性能と使いやすさで好評の自社製TOSNUC888を搭載し、形状認識予見制御やNURBS補間機能など高速切削を実現する機能も備えています。

なお標準価格は、従来の5軸機より大幅に抑え、MP-2114(5A)(テーブル1,800X1,400)形で1億2千万円(本体及び標準付属品)としました。当社は、門形マシニングセンタ全体で年間100台以上販売しておりますが、本機は年間約10台の販売を予定しています。

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