超精密立形加工機UVMシリーズに様々な新要素技術を開発(加工分野ごとの課題解決に向けた新技術を提案)

2019年5月14日

 当社は、このほど自動車用ヘッドランプ金型加工や、半導体・電気電子部品などの精密微細加工でご好評いただいております超精密立形加工機UVMシリーズに搭載される、新たな要素技術を開発、販売を開始いたしました。
 当社は、UVMシリーズにおける数多くの加工テスト実績を基に加工分野ごとの課題を抽出。それぞれの課題に応じたユーザ目線のさまざまな加工技術の開発を行なっております。今回は下記3項目を提案、各加工分野における課題を解決し、お客さまの生産性向上に貢献いたします。

<主な項目>

  • 高剛性・高トルク型空気静圧軸受主軸を開発
    『加工面精度の良さは魅力だが、加工効率が悪い』といった空気静圧軸受主軸のイメージを払拭。標準主軸の2倍の剛性と5倍のトルクを持つ空気静圧軸受主軸を開発いたしました。
    本主軸の搭載により、UVMシリーズの従来からの特長である鏡面加工に、当社従来機比2倍以上の加工効率と、新たな価値を付加いたしました。これにより、適用対象を射出成形金型のみならず、ゴム成形金型や高硬度素材のプレス金型など、従来の金型加工の概念を超える「高効率+高品位」を実現いたしました。
  • 機械本体による工具誤差補正を実現
    水素燃料電池スタック金属セパレータのプレス金型では、形状精度3μm以下という超高精度な形状加工が必要です。このような超高精度な形状加工の実現には、機械自体の運動精度に加え、切削工具(ボールエンドミル)の切れ刃の輪郭精度(円弧輪郭の凹凸)にも高い精度が必要です。ところが、切削工具には、超硬合金(タングステンカーバイト焼結体)やcBN(cubic Boron Nitride:立方晶窒化ホウ素)などの焼結素材が使われるため、超高精度な形状加工に必要な切れ刃の輪郭精度が得られません。
    そこで、機械上で切削工具の切れ刃の輪郭形状を計測し、得られた計測データを基にNCデータ座標数値を自動補正するシステムを新開発いたしました。同システムにより、3Dモデルの手直しや、CAMソフトによるNC座標データの再作成など、加工誤差補正に必要な作業者の負荷を排除するとともに、製作時間ロスも大幅に低減し、生産性が大幅に向上いたします。
  • 微細部品金型向け寸法計測機能を開発
    高精度が要求される加工品の場合、加工後に加工機上で寸法精度の計測が行なわれます。昨今、医療機器用の部品や金型などで形状寸法が0.1mmレベルの微細形状を付与する事例が増加いたしました。このような微細形状を高精度に加工するため、新たに画像式寸法計測機能を開発いたしました。この機能の実装で、従来のプローブ接触式の機上測定方式では測定が困難な微細形状ワークに対して、加工寸法誤差を±1μm以内にコントロールすることが可能になりました。

 本技術は、5月23日(木)から25日(土)まで当社沼津工場(本社)・御殿場工場で開催されます『第17回東芝機械グループソリューションフェア2019』に初出展いたします。

UVMシリーズ

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