ダイカスト製品の安定生産を目指した半凝固装置を提案

2013年6月20日

半凝固装置
半凝固装置


 当社は、このほど、ダイカストマシン成形における安定生産を目指した半凝固装置を開発しました。
 半凝固法は、空気の巻き込み巣や引け巣に有効な鋳造法であり、溶湯の温度が低いため、炉の省エネや金型寿命延命などにも期待が持てます。今回開発した半凝固装置は、カップを筒状にし、スラリー底部に温度勾配を持たせることで安定サイクルを目指しており、さらに装置のシンプル化、低コスト化を目指しています。

【開発コンセプト】

1.ダイカスト製品の安定生産
安定生産を阻害する要因である、スリーブへスラリーを投入する際の抜けにくさを改善するため、筒状カップを採用

2.システムのシンプル化
溶湯を高所から筒の中へ注ぎ、対流を起こすことで合金組織が粒状化することに着目した、複雑な装置を必要としないシンプルなシステム

3.低コスト化
攪拌装置などの高額な設備が不要

4.高強度部品のダイカスト化対応
鍛造、グラビティ鋳造、低圧鋳造等の他工法からダイカスト化を目指す

 自動車産業において部品の軽量化は避けては通れない課題であり、多くの部位にアルミニウムなどの軽合金が使用されていますが、現状、伸びや機械的強度が要求される足回り部品などには主に鍛造品などが使用されています。従来ダイカスト製法が対応してこなかった鍛造製品、グラビティ製品、低圧鋳造製品において高い生産性を持つダイカスト化が期待されています。そこで、弊社は半凝固法による高品質な鋳造製品を得るためのシステム構築に取り組み、提案してまいります。

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